山田詠美

日本人の心を呼び起こす文字の演奏者

【詠美さんのプロフィール】

略歴

1952年2月8日に生まれます。明治大学文学部中退。

デビュー前は本名の山田双葉で漫画家をしていました。山田詠美という名は、歌手のエイミー・スチュワートに似ているところから来ています。

ベッドタイムアイズを発表したとき、黒人と日本人女性をいう設定が賞賛と非難を受けました。

当時には衝撃的だったようで、彼女の私生活まで踏み込むようになりました。

しかし、ソウルミュージックに触れ、多人種が集まる地域で生活をしていれば、ごく普通のことだし、彼女は充分に自分が日本人であることを理解しているからこそ、日本文学の文体で書いていると思います。

そして恋愛にひたむきだからこれらの作品ができたと思います。

エッセイの中で、自分はこの作品でデビューする自信があったといっています。賞を取る自信というのではなく、考えに考えて最高のものを書いたという自信です。

そのプロとして書いている意識によって素敵な作品になっています。

芥川賞を受賞した綿矢りささん、金原ひとみさんが影響を受けた作品に「放課後の音符」を挙げています。

1958年ベッドタイムアイズで文藝賞受賞、デビュー

1987年ソウル・ミュージック・ラバーズ・オンリーで直木賞受賞。「平凡パンチ」にヌード写真を掲載され、抗議する。ベッドタイムアイズ映画化

1988年文學界、小説現代の新人文学賞選考委員になる

1989年風葬の教室で平林たい子文学賞受賞、クレイグ・ダグラス氏とニューヨークで婚約

1991年とラッシュで女流文学賞受賞

1993年高校の国語の教科書に「晩年の子供」が収録されていたが、文部省から不適切とされ、差し替えとなる

1996年アニマル・ロジックで泉鏡花賞受賞

2000年A2Zで読売文学賞受賞

2003年芥川賞選考委員になる。

2005年風味絶佳で谷崎潤一郎賞受賞

最近の活動

久保田利伸さんのCD「THE BADDEST」に短編小説でコラボレーションしています。

また、BSとスカパーでアフリカの旅に出たり、深夜の番組に交流のある井上陽水さんとテレビに出ました。

以前はテレビに出るのを嫌っていて、きっと今も自分のスタイルを崩さないように慎重に出演していると思うのですが、活躍の場が広がってきて良かったと思います。

山田詠美

私が中学生の頃、自分の発する言葉が嫌いで、自称失語症になりました。何かを話そうとすると自分でストップをかけてしまうのです。精神的な失語症です。

そこで、本屋さんに行き、気になる本をたくさん読むようになりました。その中で自分の気に入った言葉を書きとめたり、何度も読んでは自分の物にしようとしてきました。

そんな時に出会ったのが山田詠美さんの本「放課後の音符(キイノート)」でした。

中学生だった私には、高校生の女の子たちが大人っぽくも見せたし、近い年代だから、自分もこうなりたいなと思いながら読みました。

そしてどんどん読んでいくうちに山田詠美さんについて知りたい、もっと読みたい、となり、「アニマル・ロジック」という長編の本を読んだ時は、この辺は詠美さんは苦しんで書いているな、というのが判るようになりました。

エッセイではくだけた話し言葉なのに、これほど判りやすくきれいな文章で心に残る本を書く人はいないだろうと思います。

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【作品について】 - 好きな作品

とにかくたくさんあります。割と学生時代から読んでいたので、学生が多く出ている作品が印象的に残っています。

放課後の音符

高校生くらいになると、成長にも差が出てきたり、大人になる準備期間だな、ということで複雑な心理が絡み合っていると思います。

ぼくは勉強ができない

「放課後の音符」の長編になったようなつもりで読みました。映画も好きで原作の味がよく出ています。

蝶々の纏足

正反対の二人の女の子が成長していく様子。

ラビット病

ゆりちゃんとロバちゃんにほのぼのしました。

色彩の息子

短編集で、ひとつひとつに色のキーワードが盛り込まれています。

メンアットワーク

対談集。ここで大好きな瀬戸内寂聴さんを知りました。今思うと石原都知事(このときは都知事ではない)も参加していて、貴重かもしれません。

ファンダメンタルな二人

よく高校生のときに読んでいました。松田聖子についてなど、当時世間で騒がれている話題が結構ありました。

ノスタルジック気分

学校に通うとき、電車を乗り継いで1時間以上かかりました。そのときに、必ず読んでいたのが詠美さんの本でした。

学校帰りの本屋さんで詠美さんの本を見つけては買い、そのままでは恥ずかしいので必ずカバーをかけてもらっていました。

高校生の頃、大人びてきた女の子たちを横に、私はこんな本を読んでいて、こんなことを考えているという自意識もありました。

それもまた今思えば恥ずかしいことだけど、誰かに勧めたいし、自分だけのものにもしておきたい。知っている人同士でこそこそ話したい。

そんな気持ちにさせてくれるのが詠美さんの本です。

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